【雑記】脱出ボタン展開のトノラグについて
ご無沙汰しております。
今回は脱出ボタン展開のトノラグについて自分なりの構築の組み方、考察などをまとめました。対戦環境はシングルレートを想定したものとなります。
1.前提知識 〜トノラグってそもそも何?〜
トノラグとは、ニョロトノの特性あめふらしとメガラグラージの特性すいすいを生かした並びとなっています。
ニョロトノのあめふらしによって天候を雨にした後、天候が雨の時素早さが2倍になる特性すいすいを利用してメガラグラージが高火力技で相手のポケモンを上から制圧するということが主な戦法です。
現環境(2018/3/31現在)では主に脱出ボタンを持ったニョロトノ+メガラグラージという組み合わせとミズZを持ったニョロトノ+メガラグラージという組み合わせの2パターンがありますが、今回は前者のみに関して言及させていただきます。
2.トノラグの特徴
前述した通り、トノラグはメガラグラージの技で上から制圧していくことが主な戦法であるため、それを止めるために草タイプのポケモンや物理耐久の高いポケモンが必ずと言っても良いほど選出されます。
裏を返せば、トノラグという並びは選出誘導力の高い並びであるということが言えます。また後で詳しく書きますが、このような選出誘導を考慮して構築を組むと良いと思います。
3.負けパターンとその対策
トノラグを選出した際によくある負けパターンとその対策をまとめました。
Ⅰ.負けパターンについて
トノラグと選出した際に負けるパターンとして大きく分けて以下の4つのパターンがあると私は考えます。
⑴物理耐久の高いポケモンを突破できない
ラグラージは物理攻撃型のポケモンなので、物理耐久の高いヤドランやポリゴン2などのポケモンを突破することはかなり困難です。このようなポケモンに受けまわされながらどくどくなどの異常状態やゴツゴツメットなどで定数ダメージを稼がれて負けてしまうことは多いです。
⑵きあいのタスキによって技を耐えられた後、返しの技で倒される
これは主に、ゲッコウガやキノガッサなどが挙げられます。きあいのタスキによってラグラージの技を一撃耐えられた後、返しのくさむすびや種マシンガンでこちらのラグラージが倒されてしまいます。
⑶メガラグラージの技を耐えられた後、返しの技で倒される
これは主に、カプ・テテフやミミッキュなどが挙げられます。防御方面に努力値を振ったカプ・テテフやミミッキュはラグラージの技を一発耐えるので、返しの眼鏡サイコキネシスやZ技でこちらのラグラージが倒されてしまいます。これは、フィールド発動の特性やZ技の登場によって火力と耐久の両立が可能となった7世代ならではだと思います。
⑷メガリザードンYに天候がとられる
雨パの天敵の一つとしてメガリザードンYが挙げられます。特にメガしていないリザードンとニョロトノが対面すると、メガシンカで天候を晴れに変えられてしまうということが発生し、サイクル的にかなり不利になります。メガリザードンYにソーラービームがある以上、トノラグのみではメガリザードンYに勝つことは非常に困難です。
Ⅱ.負けパターンに応じた対策
次はこれらの負けパターンをどうすれば解消できるかについて説明したいと思います。(※今から挙げる対策案はこうすれば100%勝てるというものではないのでご了承ください。)
⑴に関する対策
・トノラグ選出を控える
これがベストだと考えます。物理耐久の高いポケモンが選出段階で見えたら、トノラグ選出を控え、裏選出による対処をするべきだと考えます。
物理耐久の高いポケモンに対してどくどくを刺すことで突破を狙う。これも一つの手段としてありだと考えます。特にラグラージは技スぺが一つ余る(滝登り・地震・冷凍パンチ@1がテンプレ構成)ので、どくどくの採用価値は十分あると思います。
⑵に関する対策
・ボルチェンなどでタスキを潰してから雨を展開する
初手に出てきたタスキ持ちのポケモンをボルトチェンジやとんぼ返りでタスキを潰しながらニョロトノにつなげ、ニョロトノが被弾すれば脱出ボタンが発動しラグラージを雨が降った状態で展開できます。これによってラグラージにかかる負担が最小限に抑えることが可能です。
ただし、死に出しで出てきたタスキ持ちのポケモンに対しては対応できないことが欠点です。
・ステルスロックを撒く
ステルスロックを撒くことによって死に出しで出てきたタスキ持ちのポケモンのタスキを潰すことができ、ラグラージの抜き性能が上がります。
しかし、ステルスロックを撒いたところでトノラグの並びだけで相手のポケモンをすべて突破できる場面があるかと言われると、そのような場面はなかなかないと思います(経験談)。タスキを潰すという意味では一番有用だと考えますが、それ以外でステルスロックが生きる場面はあまりないと考えます。なので、カバルドンやランドロスを初手に出してステロ展開をするというよりは、サイクルを回す中でステロを撒く隙ができたときにステロを撒くという方法がベストだと考えます。
⑶に関する対策
・ボルチェンなどでHPを削ってから雨を展開する
これは⑵の対策案の1つ目と理屈はほぼ同じです。ボルトチェンジやとんぼ返りで相手の耐久振りのテテフを削ってニョロトノを出し、被弾されたら脱出ボタンが発動しラグラージを雨が降った状態で展開できます。
これも、先ほどと同様、死に出しで出てきた耐久テテフには対応できない他、負けパターンのところで例を挙げた耐久振りミミッキュに対しては、化けの皮がある以上この対策が全く通用しないことが欠点です。(ただし耐久振りテテフは役割上、初手に出てくることが多いです。)
⑷に関する対策
・リザードンがYにメガシンカするよりも先に雨が降った状態でメガラグラージを展開する(ラグラージが岩技を持っているときに限る)
例えば、雨が降っている状態でメガラグラージとメガシンカしていないリザードンが対面した時、リザードンがYにメガシンカして天候を晴れ状態にしても初ターンだけはメガラグラージが先制できるという仕様があります(ただし、ラグラージは既にメガシンカしている必要がある)。その仕様を生かして、先制できる初ターンに相手のリザードンに岩技を撃てば天敵であるメガリザードンYに対してもイージーウィンすることが可能です。
前述したように、この戦法は雨が降った状態でメガラグラージとメガシンカしていないリザードンが対面することが条件なので、初手に出てきたリザードン(Yにメガシンカすると想定)をいかにしてメガシンカさせずに交代させることが重要です。なので、この戦法を取る場合は、初手にメガリザードンYに強いポケモンを選出して、相手に交換を強制させることが絶対条件として挙げられます。
以上の負けパターンとそれに応じた対策を考慮した結果、トノラグと同時選出をするポケモンとして好ましいのは以下の3つです。
・トンボルチェンができるポケモン
・ステルスロックを撒くことができ、ある程度サイクルを回せるポケモン
・(リザードン入りの構築に対してトノラグを選出する際)メガリザードンYに強いポケモン
特にトンボルチェンができるポケモンは脱出展開のトノラグと最も相性の良いポケモンだと考えます。
参考としてトンボルチェンができるポケモンのトノラグとの相性ランクの記事を書いたので掲載しておきます。
脱出展開のトノラグにおけるトンボルチェン枠のキャラランク - 雨色ダイアリー
4.裏選出に求める条件
トノラグという構築で最も重要なことは、いかにして強い裏選出を組むかということにあると考えます。ここでは、トノラグの裏4体に必要な条件を述べたいと思います。
Ⅰ.草タイプに強い並びorポケモン
前述したとおり、トノラグという並びは草タイプをよく選出されます。トノラグは当然ですが草タイプにとても弱いです。なので、草タイプが相手のパーティーにいる場合は基本的に裏選出をすることが多いです。
具体的なポケモンを挙げるとするならば、フシギバナ、ナットレイ、ジャローダ、カプ・ブルル、モロバレル、キノガッサに強い並びorポケモンをパーティーに組み込むと良いでしょう。
Ⅱ.受けループ&受けサイクルに強い並びorポケモン
トノラグは基本的には受けループや受けサイクル系統の構築には勝てません。なので受けループ、受けサイクルを崩せる手段は何かしら用意する必要があると考えます。
Ⅲ.できるだけ汎用性の落ちない並びやポケモン
例えばトノラグの裏にバンドリのような砂パを組むなどをすると、選出パターンが2極化してしまい、パーティーとしてすごく弱いものが完成してしまうので、なるべく色々なパーティーに対して戦えるような並びやポケモンを採用することが望ましいです。
トノラグは実はバシャーモに弱いです。先に展開されて加速されると、とび膝蹴りをくらっただけで大ダメージを受けてしまいます。なので、裏選出はバシャーモに強いポケモンを採用することが望ましいです。
5.さいごに
いかがだったでしょうか。
この記事を読んで一人でもトノラグないし雨パに興味を持っていただけたら私としては非常にうれしいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。